〜ゆうが語る、フォークロア〜
あの日、あの時の出来事はなんだったのだろう?
本 当 に あ っ た ちょっと不 思 議 な 話 |
『体外離脱』皆さんは、この言葉をご存知ですか?
私はこれを「臨死体験」(立花隆著・文芸春秋)という本を読んで知ったのですが、
もし、あれがそうなら・・・。ある時期、頻繁にそれを経験したことがあります。
今回はその中の一つをお話致します。
それは、母が亡くなったばかりの早春のある朝のことでした。
空が白み始めたばかりの5時過ぎ、男の人の声で私は目を覚ましました。
その声はかなり歳を取った威厳のある声で私に話し掛けてきます。
「巫女よ・・・」
かなり大きな声で呼びかけられたと思った瞬間、私は自分の身体から意識だけが
抜けていました。その状態でしばらく寝室を眺めていましたが、私はふと表に出て
みたくなったのです。
窓の鍵をはずそうとしましたがうまくいかなかったので、ガラスを通り抜けられるかな?
と思いながら体当たりすると、体は難なく抜けてベランダに出ました。
朝日が昇りかけて美しい朝の風景が広がっています。空を見上げると西の方角に
大きな渦巻きのトンネルのようなものが口を開いていました。
私は空を飛べるかなと思い、ベランダから思い切って身を投げると
ものすごい勢いで身体がその渦巻きのトンネルの中に吸い込まれたのです。
ラジオの周波数を合わせる時に聞こえるような不快な音の中で、私の身体は
なおもどんどん吸い込まれていきます。しかし、不思議に恐怖心は沸かずむしろ
えもいわれぬ穏やかな気持ちに包まれていました。
私は独りではありませんでした。誰かがずっと私に付き添ってくれているような
気配の中で私は吸い込まれていったからです。随分時間が経ちました。
突然視界が開けたので見てみると私は色とりどりの花が咲き乱れている草原の
上空に浮かんでいました。その花の美しさに息を呑みましたが、何故かここは
「違う」と感じたのです。さらに上へ行かねばという思いに支配されて私は
名残を惜しみつつもまた、飛びました。
今度は先ほどよりも更に勢いを増して、ものすごい速さで上空へ向かっていました。
私が到着したところは・・・・。
それは言葉では言い尽くせないほど美しく、荘厳な光に包まれた場所でした。
見たこともない樹木には花が満開に咲き、心地よい旋律が流れ、木漏れ日が
幾つもの虹に覆われたようにきらきら光っています。
もし、極楽というものがあるとすれば、ここがそうなのかなと思わせるにふさわしい
場所だったのです。実は私はこの世に地獄はあっても、極楽というものはないだろうと
常日頃から考えていたのですが、、。
そう思っていたことを、私はその時恥じ入りました。
それにしてもこの安らぎに満ちた感情は、いったいなにゆえうまれるのだろう・・・。
そんなことを考えながらしばらくその風景を楽しんでいましたが、
私は突然父にしばらく会っていないことを思い出し、父に会いたくなりました。
今なら、飛んで行けるのではないかな?と単純に考えた私は、この場所から
離れたくない思いにとらわれつつも、父に会いたいと念じました。すると・・・。
再び猛スピードで、今度は身体が下降し始めました。来る時に一緒にいた人の気配は
もうありませんでした。しばらく下降していると、街並みが見えてきました。
航空写真を見ているような感じです。朝早いので、人の姿は見えません。
私は地上から100メートル近くまで降りて来て、見慣れた木蓮の木や梅の木の植わって
いる庭を見てああ、実家に帰ってきたんだと思いました。
しばらく俯瞰で眺める実家が面白くて漂っていましたが、お父さんはいるかな?
まだ寝ているかな?と思いながら地上に降り、家の中に入りました。
朝日の入り始めた家の中はしんと静まり返り、無人で、母の遺骨だけが置いてあります。
遺骨の前の花は、少ししおれていましたし、お供えしてあるお茶には
なんと、ごみが入っています。
しかも、ふとんはまるでのり巻きのように枕も毛布も掛け布団も一緒くたにくるくると
巻き上げで部屋の中にころがっています。
私は父がいないことを確かめてから家の中をぐるぐると歩きまわっていましたが
そのうちに飽きてしまい、もう帰ろうと思いました。
すると、その瞬間、またすごい勢いで身体が飛んだと思ったら、
自分の家に帰ってきたのです。そこで、再び目が覚めました。
時計を見ると、8時近くになっていました。私はすぐに実家に電話をしましたが
父は不在でした。
夜になってもう一度電話をして、父に今日は朝早くでかけたの?と聞いたら
今日は朝の6時半に家を出たという父の返事です。
私は、お父さん、お供えの花が枯れかけているし、お茶にゴミが入っているでしょう
と言ったら、父はぎくりとしたのか、一瞬無言になってへらへら笑い出しました。
お父さん、忙しかったからなぁ・・・とかいってごまかしています。
布団ものり巻きにしないで、ちゃんとたたんで押し入れにしまってねと言ったら
父は気分を害したのか電話を切りました。都合が悪くなると黙る父・・・・。
私はおかしくて、大きな声で笑ってしまいました。
これが、私の『体外離脱』の顛末です。
この経験をしてから私は・・・死ぬのがますます怖くなくなりました。
私の訪ねた「その場所」にもしかしたら行けるかもしれないと思うからです。
それにしても、私に「巫女よ」と声をかけた人は一体誰でしょう・・・・?それは、
その後まもなくあることがきっかけでわかることになるのですが、
それはまた、別の機会に譲ります。
それではまた御会いしましょう。
これは今でも納得のいかない『事件』です。しかし、自分自身でそれを『見た』
訳ではないので、なんともいえないのですが ・・・。
それは、私が18歳の時です。
その日私は、夕食を終えて早々にお風呂に入り寝間着に着替えて自分の部屋で
くつろいでいました。夜の8時頃でした。
すると、趣味の仲間と出かけていた父が、顔を真っ赤にして怒り、私の部屋に
いきなり入ってくると私を大きな声で叱るのです。
悪いことをした記憶が全然ない私は、何故叱られているのかまったくわからず
ただ驚いていました。そのうち母が来て訳を聞き出すと、こういう訳でした。
友達のUさんと一緒にあるいていた父は、この私がこともあろうにネグリジェ姿で
薬屋さんの前をふらふらと靴も履かず裸足で道を歩いていたというのです。
驚いた父が私の名を呼んでも知らんふりで、さっさと歩いていってしまい
道をまがったと思ったら、突然姿を消した・・・・。
このことは、友達のUさんも、薬屋さんも一緒にいたので間違いないというのです。
Uさんは殆ど毎日のように家に遊びに来るし、薬屋さんは私の同級生の家なので
私の顔を良く知っており、父の話だけを聞いていたら私は『クロ』なのですが・・。
しかし、私がずっと家にいたのは母や妹が知っています。
第一、私が歩いていた薬屋さんというのは家から10分以上もかかるところにありますし、
大通りに面しており、いくらなんでもその格好で裸足で歩いて行くのには遠すぎます。
しかも、当時の私はそんな時間に夜、出歩くことなんて滅多にありません。
父は、自分の娘を間近で見間違う親がいるはずがないと、なおも怒っています。
母が、怒る父に私がずっと家にいて家から一歩も出ていないことを言うと
納得の行かない父は黙ってしまいましたが、とにかく夜は出歩くなと言い置いて
行ってしまいました。
翌日、もう一度母が父に聞くと、あれは絶対に私だったといいはっていたそうです。
ちなみに、私の父は体質がアルコールを受け付けないのでお酒をまったく飲みません。
ですから、酔って幻覚を見たというのではないと思いますが、ではいったい
なんだったのでしょう。
私にそっくりの別人が私と同じ寝間着を着て歩いていたのでしょうか。
父が私を見たと言う時間に、私は湯船に浸かって良い気持ちでくつろいでいました。
とんだぬれぎぬを着せられて、まったくのところ良い迷惑でしたが
今でもこのことは謎のままです。本当に、あれは、誰だったのでしょうか?
もう一人の私・・・・?あまり、考えたくはないのですが・・・・。
それではまた御会いしましょう。
引き続き、Kから聞いた話です。
これは、Kとその家族、親族が経験した大層不思議な話です。
当時母を亡くしたばかりで、抜け殻のようになっていた私は心の救いを求めて
いろいろな本を読み漁りました。
中でも立花隆氏の著した「臨死体験」(文芸春秋社上巻・下巻)はその内容の
ユニークさと豊富なフィールドワークによって、説得力がありかつ、読み応えのある
一冊として、私の心の中に残りました。
ただ、私は科学的考察による臨死体験と言うものには懐疑的な立場でしたが、
この本によって母を失った痛みの千分の一ぐらいは癒されたと思います。
それは、さておき・・・・。
Kのおじいさんは長く患っていましたが、最後は病院ではなく自分の 家の畳の上で
かかり付けの医師と大勢の子供や孫に看取られて息を引き取りました。
医師が臨終を宣告した後、末期の水で口を湿らせ、身体を清められたKのおじいさんは
新しい布団に寝かされていました。
悲しみの中にも葬儀の準備がちゃくちゃくと進められていたのです。
ところが・・・・。
死んだはずのおじいさんが突然息を吹き返したのだそうです。
(この瞬間はKは立ち会っていなかったので、詳しい状況はこれ以上わかりません)
葬儀の準備を進めていた親族一同にとって、その驚きは想像を絶するものが
あったと思います。とにかく・・・大騒ぎとなりました。
葬儀の支度でそれぞれの家に戻っていた人も、皆再びおじいさんの家に集まりました。
そして、さらに驚くべきことは、口をきけるようになったおじいさんが語ったことでした。
以下は、Kのおじいさんが語ったないようのあらましです。
気がつくと、花のたくさん咲いた美しい場所にいた。
身体は自由になっており、痛いところもどこにもない。しばらくずっと寝たきりに
なっていたので自分の子供の家を訪ねてみようと思うと、好きなところに行ける。
そこで、順番に子供の家を訪ねてまわる事にした・・・。
訪ね歩いて飽きたら、また布団の上に寝ていた・・・・ということでした。
さらに驚く事は・・・。Kの実家は彼女の母が大きな化粧品店を経営しており、
ずっと改築工事をしていましたが、ちょうどおじいさんが息を引き取ったその日が
新装開店の日だったのです。
おじいさんには改築の事など一言も話していないにもかかわらず、
おじいさんはそのことを知っていました。
Kのおじいさんは、彼女の母親にいったそうです。
新しい店は、なかなか立派だなぁ・・めでたい日なのにわるかったなぁ・・と。
その後、医者を呼び葬儀の準備は取り止めになりましたが、おじいさんは
再び眠りに落ち、息を引き取りました。
(亡くなったのが何時のことかは、聞いた記憶はありますがはっきりと覚えていません。)
そして、今度は二度と目を覚ます事なく永遠の世界へと旅立ちました。
その他細かい話も聞いたのですが、私は忘れてしまいました。
思えば不思議な、あの世から一時帰ってきた本当にあった話です。
それではまた御会いしましょう。
過日、仕事のパートナーで親友であるKに大変興味深い話を聞きました。
それは、彼女の従兄が経験した話なのですが・・・。
彼女の従兄は、バイクに乗っていて大きな事故を起こしました。
頭を強く打ったため、病院に運ばれた時には彼の意識は既になく、危篤状態でした。
連絡を受けてかけつけた彼の家族に告げられたのは、無情にも「脳死」の宣告でした。
万が一、命が助かったとしても植物人間として意識が戻る事はないだろうと・・・。
その日病院の帰りに、彼の母親は懐かしい友人と道でばったり会ったそうです。
実に数年ぶりの再会だったとか・・・。息子の事で頭がいっぱいだったため、
声をかけられるまで気がつかなかったそうですが、その人は中年の女性と一緒でした。
すると、彼女の友人と一緒にいた女性が言いました。
「私は、このためにここまで来たのです、それが今、わかりました・・」
突然の事でなんのことだろうと彼の母親とその友人が驚いていると
初対面のその中年の女性は、
「あなたの息子さんは、今危険です。一刻も早く戻りましょう」と言うではありませんか。
たった今、道端であったばかりで、息子が事故に遭った事など
一言ももらしていないのに、その中年の女性は「知って」いたのでした。
その中年の女性は、家族の事で悩んでいた母親の友人に依頼されて
東京からやって来た「霊能者」なのだそうです。
息子の死を宣告されたのも同様だった彼の母親は、藁にもすがる思いで
友人と「霊能者」をともなって病院へ戻ったそうです。
集中治療室へ入ることについて、初めは難色を示していた病院も
もう助からない患者だからという意識があったのでしょうか、結局は一時間だけの
約束で中に入れてくれました。病室には、霊能者の希望で意識のない息子と
彼女だけがいます。その間、何があったのかは誰にもわかりません。
病室から出てきた霊能者が、あなたの息子さんはもう、大丈夫と言われても
なにがなんだかよくわからなかったのだそうです。
それから一週間、彼の意識は戻るどころか大量の下血を繰り返し
家族はいよいよあきらめていました。医師からは覚悟を決めるように言われています。
ところが翌朝、彼の意識は戻ったのです。それは、まったく奇跡でした。
彼は集まった親戚の人々によって自分のお葬式の段取りが
ひそやかに話されているのをまったく知らなかったそうですが、当たり前です。
その後、検査を繰り返しましたが、脳の損傷はなく医師が驚くばかりの快復をみせて
無事に退院し、社会に復帰しました。
私の親友のKは、この話を元気になった本人から聞いたのですが、
今まで絶対に霊能者なんか信じなかった彼が、
「自分の身体で経験してしまったからな、信じないわけにはいかないな」
と言ったのがとても可笑しかったので、笑い転げたそうです。私は知っています。
彼女の場合、恐怖に出会うと何故か、ばか笑いすることを・・・。
ところで、その「霊能者」である中年の女性はどうしたでしょう。
彼の母親が御礼を差し上げたいと、何度も日を変えて申し出ても
交通費どころか、菓子折りさえ受け取らなかったと言います。
東京からF県まではちょっとそこまで・・と言う距離ではありません。
その人が東京から来ていなかったら・・・・?
たまたま、彼のお母さんが道でばったり友人に出会わなかったら・・・?。
彼の命はどうなっていたのでしようか。
思えば偶然が重なった、不思議な巡り合わせの中で起こった事実でした。
それではまた御会いしましょう。
先日、友人であるMさんと一緒にお茶を飲んでいる時に不思議な話を聞きました。
彼女が親しくしているYさんの家に遊びに行った時のことですが、
YさんとMさんが某アイドルの話で盛り上がっていると・・・・。
(二人は尾崎豊のファンで、彼が死んだ後彼の実家を見に行き、偶然犬の
散歩から帰ってきた尾崎豊のお父さんに出遭い、誘われるまま家に上がり込み
お線香をあげたうえ、お茶までご馳走になってくる・・という「前科」があります)
突然電話が鳴りました。Yさんのお父様は長く入院していたのですが、
電話はYさんのお姉さんからの、お父様が亡くなったという悲しい知らせだったのです。
それで、話しを中断しMさんは帰ってきたのですが後で聞いたことによると・・・。
電話で知らせを受けたYさんはとりあえず急いで実家に帰って行ったのですが
電話をかけてきたはずのお姉さんとどうも話しのツジツマが合いません。
Yさんのお姉さんがYさんに「どうしてお父さんのことで急に電話をしてきたの?
やっぱり親子だね・・・」、なんていう話を始めたからだそうです。
Yさんは驚きました。YさんはMさんとおしゃべりをしている最中に電話が鳴ったので
電話に出るとおねえさんからだったわけですし。
その音は、もちろん、Mさんも一緒にいたので当然聴いています。
ところが、Yさんのお姉さんも家族と一緒にいてお父さんが亡くなったのを
電話で知らせなくては・・と思っているところで電話が鳴ったからだそうです。
つまり、二人とも電話をしていないのに、電話をお互いがかけて来たと思い
「実際」に電話で話していたのです。
それでは、その電話は、一体誰がどうやって二人を結んだのでしょうか。
NTTのいたずらでしょうか?この一件は、いまだに、謎です。
それではまた御会いしましょう。
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