◆第1回目〜一番誦経山・四萬部寺から五番小川山・語歌堂◆
朝、五時。早朝の空気は肌を冷たく刺して上着を着ないと鳥肌がたった。
私たちは始発のバスに乗り、いよいよ巡礼の旅にでた。
バスと電車を乗り継ぐこと3時間半。
乗り継ぎにつぐ乗り継ぎ・・・駅の連絡通路を背中の荷物を揺らしながら走った。
そして、何とか秩父駅辿り着いた。
巡礼の第一歩がここから始まるはず、である。
前日に最寄りの二つの利用駅を想定したじんが、駅を移動しながら冷たい風の吹き
付ける夜のバス停の一つ一つを丹念にチェックし、時刻表を全部書き留めた。
そして、細かく回るルートを練り上げた。
それは綱渡りに等しい時間配分だったが、思いがけず特急券も買えたことも
あり時間はかかったが感覚としてはまずまずのスタート。
秩父駅の改札を出ると前日とはうって代わって、明るい初夏を思わせる日差しが
眩しく目にしみる。今日は秩父地方でも三十度を超えるという。
早朝5時に起きた時は肌寒さに少し震えたが、これは暑くなるだろうなと覚悟した。
2番から3番への山道で。
お腹が空ききって金剛杖に支えられているところ。
私は神経痛の出る左足を無意識にかばう癖があり
それが出ている。腰まである長い髪も邪魔で後ろで
縛ってある。丸坊主にしたいぐらい暑かった。
それにしても、巡礼というよりも、田植えが似合い
そうである。ストレッチのブーツカットのジーンズをはいていたが、汗だくでジーンズも汗が
絞れそうなほど濡れて気持ちが悪かった。
この時の教訓で、登山用品の専門店で通気性・速乾性に優れた素材のボトム(クリーム色)
を後日購入した。