三十三変化をする観音の一つであるという准胝観音。
百観音霊場でこの観音様を本尊とする寺は
京都伏見の十一番上醍醐寺とここ語歌堂だけである。
本坊から離れて、そのお堂は秩父の田園の広がる平地に唐突にあった
塀も何もない、ただ門があるからここはお寺かなと思える佇まい
お年寄りが午後の一時をオープンな境内の椅子に座って過ごしている
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五番 小川山 語歌堂 臨済宗南禅寺派 【ご本尊】准胝観世音菩薩 【御詠歌】父母の 恵みも深き 語歌堂 大慈大悲の 誓いのも楽し 【所在地】秩父郡横瀬町横瀬6086
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●画像は第一回目の巡礼時、デジタルカメラの調子が悪く撮影できなかったので
第二回の重ね版を戴いた時のものです。
◆座ったら疲れが出てきた◆
このお寺は田畑の中を通る道沿いの一角にあった。
塀も、植え込みもなにもなく広場のような場所にあって、おそらく地域の人々にとっても
オープンスペースとなっているのだろう。
お世辞にも上等とはいえない質素なベンチがなんとなく置いてみたよという感じであって
そこに人が座っており、これもなんとなく道を見ていたりする。
なんか都会とは違った時間が流れているような、そののんびりとしたところがほっとする。
●長興寺を手前の橋から臨む
おかげで誰もいないのでお堂でゆっくりと読経をすることが出来た。
納経所は畑を挟んで少し離れた長興寺にある。
こちらには人がたくさんいて、本堂の前にある椅子で休んでいた。
私は御朱印を戴くと少し疲れが出たのか座りたくなってしまい、その人達の輪の中に
自然と入る形になった。
大きな縁台があって、そこではお茶の道具一式とインスタントコーヒーまであって
私はそれを戴くことにした。
私たちの装束のせいかご婦人のグループからいろいろと話しかけられた。
そして、黒焼きの梅を戴いた。
インスタントコーヒー・・・は疲れを覚えた身体には温まってとても美味しかった。
家では豆を挽いたレギュラーコーヒーしか飲まない私だのに
こうして日常から離れるといろいろな発見があるなあ。
粉のコーヒーを美味しく感じる私がいる。
お寺の和尚さんによると、六番の札所へは山道を40分ほど歩くという。
すでに4時になろうとしていたので、計算すると納経の終了時間の5時までは
なんとか、ギリギリに到着するだろう。
しかし、歩いて秩父駅に戻ることを考えるともしかしたら日が落ちた中を
歩かなければならないことになる。
それは避けたいことだったので、和尚さんの助言通りここで本日第一回目の区切り打ちを
終了して、歩いて秩父駅に戻る途中にある十番と十一番のお寺に寄りながら
帰ることに決めた。
身体を休めた私たちはゆるゆると歩きながら秩父駅までを歩くことにした。
十一番のお寺に着いて寺を出たのは5時ぎりぎりであった。
◆大渋滞の国道沿いを行く◆
連休も終わりに近づいたせいか、道路は大渋滞である。
車が繋がってのろのろと進む側をてくてくと歩いた。
皆、珍しそうにこちらを見ている。
見られるのも、もう慣れた。
そら、見るだろうなあ、こんな白装束を着て、杖着いて菅笠被っているんだもの。
最後に納経を済ませた十一番のお寺から歩くこと40分あまり、秩父駅に帰り着いた。