はじめに・・・・。
 

"Give me your tired,your poor,
You huddled massees yearning to breathe free
The wretched refuse of yiur teeming shore
Send there, the homeless, tempest tossed to me,
I lift my lamp, beside the golden door!" 

 Emma Lazarus(1849−1877)

あなたの国の疲れた人、貧しい人を与えておくれ
あなたの国の煩雑な大衆は自由を呼吸したがっている。
あなたの騒々しい国の哀れな貧困者を、家のない者を、嵐よ、私に授けておくれ。
私は黄金の扉のそばでランプをかかげよう。 
 

この詩は、ニューヨークの港に大西洋を臨んでそそりたつ
自由の女神像の台に彫ってある
女性詩人エマ・ラザラスが謳った詩の一節である。 

ある時期、私は自分で自分に殻を築きながら、
破れない殻にもがき喘いでいた。
あの頃の私は、たぶん傷だらけで見えない血をたくさん流し
大切な人をもその血で染めていたに違いない。
私は、感じていた。
自分が羽を傷めたまるで哀れな小鳥のようだと。

その幻想がいつから生まれたのかは、わからない。
が、当時の私にはそれが真実だったのだ。
そして、その幻想 から目覚めた時に私はこの詩に出遭った。
気がついたことは、たくさんあった。
それは他の誰かにとっては、
たぶん、何でもない気づきに他ならないのだけれど。
自分を束縛するのは、自分自身であるということ。
そして、それに手を貸しているのも・・・・。
自由になった私は再び歩きはじめることが出来た。

そして、望んだ。
願わくば、誰かの温かい灯火になれことを。
厳しい冬が到来したら、私は凍える人を温める小さな木漏れ日になろう・・・・。
それは、私がずっと願ってきた自分の存在を
自分で認めることができた日の小さな一歩だった。
もし私を必要としてくれる人がいたのなら、私はもっと輝けるに違いない。
たとえこれが、遅すぎた気づきだとしても・・・。 
そして、自分をも照らそう・・。
私は望んでこの世に生まれてきたのだから。 

 

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