☆彡ドラゴンズなゆうの休暇☆彡
《ゆうは熱心に休暇を過ごしたっ!》PART1
プロローグ〜最初は行きたくなかった。。。
何故か、野球観戦に行く事になってしまった。
ここ二年ほど遠出はしていないし、まして足腰体力に自信が無いのに
プロ野球の観戦だなんてあまり現実的ではない。
何しろ、私は人込みが嫌いな上にスポーツの中で最も嫌なのはプロ野球なのだ。
何故なら過去、私の人生において私と関わりのあった人の中にはプロ野球の
ファンが少なからずいて、私は彼等の傲慢・身勝手・自己中心的な振る舞いに
何度も遭遇して疲れる事が多かったからだ。
プロ野球の熱心なファンというものは大概自分の贔屓のチームを持っていて
シーズンになるとその勝敗が彼等の生活の全てとなる。
負けるとしごく不機嫌になり、勝つと異様にハイテンションになる。
そして、そんな自分を周囲に認知させている事になんの恥も持たない。
特に熱狂的巨人ファンと阪神ファンには仕事でも大きな迷惑を被った。
いい大人が、たかが野球の勝ち負けで自分の精神状態を左右されるなんて
こんな愚かな事があるだろうか。
そんなことで私は野球が嫌いだったのであるが、
「自分は野球が嫌いである」ということを表明する事で、実は私も野球に
参加していたのだ・・ということに気がついて臍をかんだものである。
それはさておき・・・。ほんとうに行く事になってしまった。。。
その少し前、私は腰を痛めてから実に数年振りで映画を見に行った。
タイトルは「オースティン・パワーズ・デラックス」。。。
これが面白くて、私の心の琴線をいたく刺激してしまったのである。
上映中、私は映画のギャグに手足をバタバタさせて喜んでしまった。
この60年代を舞台としたギャグがわかるのは、私の年代の強みである。
「ざまみろ」的優越感も手伝って、何も威張る事はないのだけれど
とにかく、笑った。笑いすぎてお腹がよじれて映画が終わった後、なんと
下痢をしてしまった。
思えば、この時から私は「出口」へイッテしまったのだ。
9月19日〜わざわざ迎えに来てくれた。
愛知からネットの友のミツルンが愛車を飛ばして迎えに来てくれる。
なんか、結婚式に顔を出すついで(?)に拾ってくれるらしい。
私は前日夜から荷物やお土産を整えてぢっと彼の到着を待っていたのだけれど
午後になってもなかなか来ないのでじれて床を這いまわっていた。
別に、へびの真似をしていたわけではありません。
行くのが面倒になってきただけ。
でも、帰りの新幹線の予約はしてしまったし、帰りはのぞみに乗せないと
帰らないと、Qちゃんに言った手前仕方なく待っていた。
ミツルンがやっと到着したのが、午後4時を回った頃。
やっと、出発した私達は、東名をひたすら走った。
ミツルンに、名前が長いから、「つるんって、略してもい〜い?」と尋ねると
「だ〜めっ!」と言われてしまった。
ミツルンの愛車ミツルン3号(ドイツBMW)は東名を170キロ平均でひたすら飛ばす。
舐めた車が、走行車線を飛ばすミツルン3号を煽ると・・・。
その後は・・・、恐ろしくてとても書けない。
とにかく、生きていたい。ここで心中は嫌じゃと心の中で神仏に祈った。
途中、お腹が空いて死にそうになったので、海老名パーキングで
山菜うどんを食べる。
私はなんか、いやしいモードに入ってしまって、
「こんなうどんならもう一杯は食べられるね」とかほざきつつ、
横目でコロッケの串刺しを睨みながらパーキングの食堂を出てきた。
ジャンクフードのそれがたまらなく食べたかったのだ。
車に乗った途端、またお腹が空いてしまい、次のパーキングで普段なら
絶対に食べない「アメリカンドッグ」を買い求め食べてしまった。
これがまた、まずいんですね・・・。
この一件で、ものすごく後悔してしまい、私はもう生きている以上、
これからの人生で「アメリカンドッグ」を食べる事は二度と再びないと誓った。
しかし、ここでは「真夜中のお菓子・うなぎパイV.S.O.Pセット」を購入した。
いきなり行きの行程で、お土産を買ってしまった。
これもみいんな、まずい「アメリカンドッグ」のせいだぞ。
さて、ミツルンの家に行く途中にあるという海底トンネルを楽しみにしていたのだが
ただのコンクリートのトンネルだった。
実は、壁面が水槽みたいになっていて、お魚が泳いでいる様子やらなにやらが
見えると思っていたので、がっかりした。
深夜にもかかわらず、私は腹減った、なんかたべさせろを繰り返し
やっとの思いでデニーズへ寄った。何しろ、胃薬を飲む時間が不規則に
なってしまい、普段薬のせいで忘れていた食欲がけだもののように蘇って
はらぺこの私だったのである。
ここではラザニアとほうれん草のサラダがとても美味しかった。
ほどなく今夜の宿のミツルンの家に到着。ミツルンの家は・・・・。
「原っぱ」のようでした。
異様に大きな大きな家。そしてそこは野趣に富んだ「自然」のまま・・・。
ホー助と再会
コノハズクのホー助と再会。
あの日、涙を流して別れたまま、ホーちゃんはどうしていただろうか?
ホーちゃんは、ただのミミズクになっていました。
私が呼びかけたら少しだけ返事をした。
どうやら、調教も虚しく、芸をすっかり忘れてただの鳥に戻ってしまったようだ。
こら、私を見て丸くなって威嚇するんではないっ!
しかし、鳥に怒っても仕方ないんですね。
もう、二時をとっくに回っていてそこいら中にビールの空き缶が・・・。
私が目を丸くしている前で、彼はばりばりとナッツを噛み、むしゃむしゃと
チーカマを食べ、グビクビとビールのロング缶を飲んだ。
この悪行の数々をHpにアップするからねと、一応本人の了解と確認を
とった上でこれを書いているのであるが・・・。
もう少し、身体の事を考えて下さい。労わらなくちゃ、駄目よ。
私は飲めないので烏龍茶だけれど飲む人は飲むものだ。
その様、うわばみの如し。
さて、深夜になったことではあるし、きりがないのでシャワーを浴びて
休む事にした。この日の為にミツルンの母上が用意してくれた枕が
とても使い心地が良い。
時々、ホー助のフンの臭いがしてくる中で。。。
朝、目が覚めたら知らない家で寝ていたので少しあせった。
そんなこと、ありませんか?
9月20日〜昼
名古屋市内へ。ホテルへチェックインの前にまず、今回の旅の目的である
ドラゴンズのユニフォームを買う事をしなければ。
名鉄デパート前の名古屋名物ななちゃん人形は不気味だ。
ただの大きなマネキン様が怖い。
それにドラゴンズの優勝までのマジックが書かれている。
デパート内の小さな、小さなコーナーにTシャツや帽子なんかが置かれていて
「燃えよドラゴンズ」のテーマ曲がエンドレスでかかっている。
しかも、この売り場・・・。キティちゃんのおもちゃ売り場の一角に設けられている。
愛くるしいハローキティとドラゴンズグッズ・・・・。これほど相反するものは
ないんじゃない?と言いながら私達はグッズの品定めをする。
ここでは、Tシャツやタオル、帽子などを購入した。これでは満足できないので
松坂屋へ行こうという事になり松坂屋の案内係のお姉さんに売り場を聞くと。
なんと、中日の本社ビルのほうがたくさん品物が置いてありますよと教えてくれた。
早速、電車で中日ビルへ。
なんか、不思議なビルである。テナントが混在しているというのか・・・。
しかし、ありましたね〜。グッズがあれこれと。
何人かのお客が品定めをしていたが、皆、ファンなんでしょうか。
ここでは、結局、Qちゃんが会社の同僚のドラキチの為に応援歌のCDや
数多のお土産を購入するというまるで、大店の大旦那のような大盤振る舞い。
札びらを切っているとは正にこの事である!愉快・爽快である!!
おかげでお金が足りなくなり、翌日、郵便局を探してまたまた大金を降ろす
ことになってしまった。後に迎える赤貧への道を既に大きく踏み出している
私らでありました。赤貧から、極貧へ・・・。この道は限りなく近い。
が、この時はまだその恐ろしい事実に目をつぶっていたのである。
いや、気がついていたけれど・・・・。
しかも、この後またまた名鉄デパートに戻ってドラゴンズブルーに
ドラゴンズのロゴの染め抜かれた前あきのシャツを買った。
これは、ミツルンとお揃いである。
その後、湿気の多い名古屋の街できしめんを食べたのだが。。。
「きしころ」という怪しい名前の食べ物を注文しているお客がいた。
私はそのきしころがどんなものであるのか見たくて、そのお客に品物が
運ばれてくると首を伸ばして背筋を伸ばしてそちらを見たのだが
とうとうその存在を確認できなかった。きしころとは、一体っ?!
まっ、今でも謎なんですが次回と言う事にして。
これで、明日、観戦の準備は整った。それにしても、きしころって、なんだろう??
9月20日〜夜〜ジャズナイト
ところで今回、初めて会う友人がいる。
ネットの友人で、万に一つと言っても良い、ものすごく不思議な縁と偶然が
重なって会う事がかなった。
私達の泊まるホテルにわざわざ迎えに来てくれて、案内してくれたのは
ジャズバーであった。
私はここでいろいろなことを思い出していた。
ジャズは、実は初めてではない。スタンダートといわれるナンバーは大抵
聞いて知っているし、共に青春を過ごしツェッペリンやDパープルを聴いて
感動し、一緒にギターを弾いて歌った親友がジャズボーカリストなのだ。
それを私はもう何年も忙しい生活の中で忘れていた。
語り尽くしても語りきれない、語り足りない夜。。
翌日仕事の友人とは、名残惜しむ間もなく駅で別れる。
またの再会を約束して電車が走り出しても私達は手を振っていた。
世の中には、偶然という必然がある。
彼と出会ったのは、偶然ではあるけれどいろいろなところでこの出会いは
あらかじめ用意されていたのだとお互い確信した。
ネットの怖さを云々されている昨今・・・。
しかし、私の出会いは人に自慢できるほど素晴らしいものばかりだ。
会いたい人には、必ず会えるし、会わなければいけない人とは
必ず会う事が出来る。だから、人生は楽しい、素晴らしい。
誰かと出会った時、友に胸を張って会える自分でいられることを心がけよう。
9月20日〜深夜
帽子が無いっ!さては、さっき友に案内されて乗ったタクシーの中で
置き忘れたのか・・・。
この帽子は私手持ちの秋物の一番のお気に入りである。
私はタクシーに乗ると必ずタクシーカードをとっておくのだが、この日は
カードが見当たらず、まあ、いいやと思ってタクシー会社の名前すら
覚えていなかった。しかも、道もわからない。
ところが、ラッキーなんですね。普段はタクシーの会社なんて見もしない
Qちゃんが近鉄タクシーだと覚えていたのである。
彼が何故、タクシー会社を覚えていたと言うと・・・。
近鉄タクシーでは最近、特別仕様のタクシーナビを試験的に導入したとかで
私達の乗っていたタクシーにそれが設置されていたのだ。タクシーの中で
運転手さん曰く、それが、役に立たなくて・・とこぼしているのが面白くて
思わず、「どこのタクシー会社だろう?」と何気なく確認してしまったらしい。
終電が去った地下鉄の駅で、電話帖を繰りタクシー会社に問い合わせた。
すると無線で街を走っている全タクシーに連絡してくれ、該当するものが
あるという朗報が。忘れ物は本社に届くシステムらしい。
本社と聞いて少し不安になったが、場所を尋ねるとなんとっ!
宿泊しているホテルから歩いて5分もかからないところではないか。
不幸中の幸い・・・。とは大袈裟であるが、今回の旅でトラブルらしいものは
これだけだった。
翌日、帽子は何事も無かったかのように私の手元に戻った。
雨に濡れながら、取りに行ってくれた誰かのおかげです。
9月21日〜昼は味噌煮込みうどん
いよいよ野球観戦の当日である。
その前に、昼、名古屋の別のネット友達Tちゃんと会う約束をしていた。
彼は忙しいので、ぎりぎりまで連絡がつかなかったがどうやら会う事が
出来た。今日も相変わらず雨が降ったりやんだりで蒸し暑い。
お昼ご飯を一緒に食べる約束をしていたのだが、彼からもらった
メールに、味噌カツ、味噌煮込みうどん、ひまつぶし・・どれがいい?
と書いてあった。
「ひまつぶし・・・?暇つぶし?ってなんだろ?」
ずっと疑問に思っていたのだが、ひまつぶしは、ひつまぶしの読み違い
であった。うなぎのお茶漬のようなものらしいが、私はうなぎはそんなに
有り難くは思わないので遠慮して、味噌煮込みうどんに決定。
だって、うなぎって絶対へび、だものな。
味噌煮込みうどんは美味しかった。が、値段がかなり威張っていた。
私とTちゃんの頼んだのは「かしわ」で1450円。で、Tちゃんはそれに
ご飯を頼んだのだが・・・。彼が払ったのは1800円。
つまり、なんの工夫も変哲も無いただのそこいらに売っているような
茶碗にふわっと盛ったご飯が一杯350円なのである。
こら、ここはハワイかい?
確かに味は美味しかったが、私が作る味噌に込み煮込みうどんは
この店の品を基準に算定すると3000円はとれると思う。
まあ、洒落た店ではあったが。ちょっと今でも、怒っている。
9月21日〜昼下がりの茶店で敵と遭遇!
さて、気を取り直して食後のコーヒーでも飲む事にした。
私は先頭を切ってホテルのコーヒーラウンジに前日買ったばかりの
ドラゴンズの帽子を被って入っていった。
すると・・・なんとっ!!!
ここは、「敵地」の真っ只中であったのである。
もはや、仮想敵になった広島カープ!
どうやらこのホテルには、今回の対戦相手の広島の選手が泊まっている
らしい。有名な選手がインタビューを受けているではないか。
最初、私はOHNOとネームの入ったユニフォームを着たこの人を
コスプレオヤジかと思って笑っていた。
第一、野球帽を被ってホテルの喫茶店に入っていた私がこう言うのもナンであるが、
ホテルの上品な喫茶店に野球のユニフォームで身を固めた姿は異様なのである。
彼は・・・、彼の姿は明らかにその場から浮いていた。
だから、そのおじさんを変な奴だとおもい可笑しくてたまらなかった。
土台、私に野球選手を見分けろとか、野球選手の名前を尋ねても無理なのである。
何しろ、ドラゴンズの星野監督しか知らなかったんだものね。
それに・・・。長らく「下位打線」を「快打線」と思い込んでいた私である。
プロ野球開幕当初、ドラゴンズはクリンナップ以降の選手達が活躍していて
テレビで「かい打線が、大活躍していますね〜」などと誉めちぎっていたもので
私は大いなる勘違いをしていたのである。
ついでに、クリンナップとか、バントを三つ失敗するとアウトになるとか・・
いろいろと勉強させていただきました。
だから、ミツルンとQちゃんとTちゃんがヒソヒソとあれは、本物の大野じゃないか?
などと話し始めても気がつくはずも無い。
ニコニコと笑って皆の顔を見渡していたのだ。
本人達はヒソヒソと話しているつもりなのだろうが、何しろ皆声がデカイ!
静かな喫茶店ではよおく、響き渡るのであった。
しかも、マスコミの姿が私らのテーブルの隣に3人。つまらないそうに
仕事をしている。しかし、マスコミは私の相手ではない。
つまり、どうでもいいのであるが、そんな中に知らないとはいえ・・・
ドラゴンズの帽子を被ってのし歩くという行為は嫌がらせに他ならない。
ホテル内の喫茶店の重々しいガラスの扉を開けて入った時
一瞬店内に緊張が走り、店員の「ハッ」とした様子を感じて
何なんだろう?と訝しく思ったのであるが、やっと訳が分かったというものだ。
そんな中で、私達4人は和やかに(?)談笑(?)していたのであるが
そのうち同行の三人が、その帽子を被ってサインをもらいにいけなどと
人を焚き付けることを言うが、私は大人の女性ですからぁ。
そんな、ミーハーな事は死んでもしませんよ。
さらに驚いた事には!コーヒーラウンジを出たらさっきまで無人だった
喫茶店の入口に色紙を持ったファンがぞろぞろと詰め掛けていたのである。
私はその中をドラゴンズの帽子を被って出てきたが・・・。
広島のファンは皆、驚いただろうな。
何しろ、上品なホテルの喫茶店から、上品な人が野球帽を被って出てきたのだから。
彼等も驚いただろうが、私はその人並みにもっと驚いていたのだ。
さて、ここで、関東に出張に行くというTちゃんと別れる。
また、会おうねと約束して。
9月21日〜いよいよナゴヤドームへ
ドラゴンズの練習が見たいと熱心な他の二人の希望で早めに球場に
行く事にした。なにしろ、東京からわざわざ来たんだもの。
ところが雨が激しく降って来て、道を間違えた。
なんと・・・、コアラパークに着いてしまった。
なんだ、なんだと言っているうちに東山動物園の正面に来てしまって
道を迂回する。到着と思ったら動物園!
しかし、このぐらいの間違いはまだラッキーだったのである。
もしも、道一本間違えていたら・・・。私らの車は延々と続く墓地の中に
くねくねと続く一本道を雨の降る中走るところだったのである。
経験者は、声をひそめその恐ろしくも不気味だった当時の記憶を
語り出した。
それでも何とかドームに着いたのだが・・・。
ここで大問題が発生した。つまり、その。駐車場がない。
ところが、この周囲の「民家」では、野球のある日のみ、自宅の庭先とかを
臨時の駐車場にして試合が終わるまで車を預かるというシステムが
発達しているらしい。
しかし、うっかり私らの入ってしまったところは相場よりも500円も高かった。
雨の打ち付ける中、車を降りてそれぞれシャツを着込んで帽子を被り
ぶいぶいと歩き出した。
人は大勢歩いてドームに向かってはいる。が・・・・。
そんな目立つ格好のシャツを着て歩いている人なんて、誰もいない。
だあれも、ですよ。
9月21日〜球場
なんだ、ナゴヤドームに来たらこんな私の格好はぞろぞろいるものだと
ばかり思っていたのは大きな間違いだった。
真っ青なミツルンとお揃いのどらシャツを着ている人なんて誰もいない。
見渡す限り誰も、同じシャツはいない。
白いシャツに背番号とかシャツや法被(はっぴ)姿はいる。
球場内では知らないおじさん達に声をかけられた。
「決まっているね〜写真撮りたいなぁ〜」
どうやら、こんな格好をしている私は熱狂的なドラゴンズファンとして
温かく迎えられたらしい。ちょっと、照れた。・・・・からかわれたのかもしれないが。
しかも、スタンドに入る時にはいちいちチケットのチェックがあるのだが
この格好のおかげで、いっぺんに覚えられてしまいチケットのチェックも
全くなし。私が通ろうとすると、どうぞ〜とひどく丁寧なアクションまでつけて
お通り下さいと言うのである。恐るべし!どらシャツ!
もしや、これは・・・超レアなアイテムだったのではないか???
この思いは試合が始まって立ち見席を売るほどの満員になっていよいよ
強くなった。
一瞬、世界でこのシャツを着ているのは私とミツルンだけかと錯覚した。
世界で、ミツルンと二人きり・・・うう・・。いや〜っ。
さて、道を間違えたため、ドラゴンズの練習はとっくに終わっていて、
私達がみる事が出来たのは広島のそれだけだった。
私は退屈だったので売店へ何度も遊びに行った。
相談の結果、試合が始まる前に場内で食事を済ませてしまおうという
ことになり、お弁当を買う事にした。
名古屋名物「矢場とんの味噌カツ弁当」である。
味噌カツとは、トンカツにソースの代わりに八丁味噌などの豆味噌で作った
タレをかけて食べるもので、これがなかなか美味しい。
見た目は、味が濃そうで「?」という気がしたけれど以外にさっぱりしていて
とても美味しかった。
ミツルンは、私が買ってきた手羽先をほおばっている。
私はトンカツを齧っていたのだけれど、なかなか千切れなくて
悪戦苦闘していたら、食べている姿が場内の巨大なスクリーンに映ってしまった。
かっこ悪いぞっ!ゆう。私は思わず、手を振ってしまった。
しかし、何度も言うけれど味噌カツは美味しかった。冷めていてもこれだけ
美味しいのだから、揚げたてをほおばったらさぞ美味かろう・・・・。
そうこうしているうちに、試合が「突然」始まってしまい私は慌ててトンカツ弁当を
それでもキャベツ一切れも残さずたいらげた。
試合って、突然始まるものなんですね、知らなかった。。。
なんか、選手がぱらぱらとベンチから出てきたと思ったのではあるが・・・。
試合前に選手達がボールをばらまいている。サインボールらしい。
ゴメちゃん(レオ・ゴメス)が一番気前良くたくさんのボールを撒いていた。
それをお客は奪い合っている。欲深な民の慌てる様が面白いっ!
私の座っている席は、3塁側内野エメラルド席(5階)の一番上である。
従って、限らなく民を見下ろせる位置なのであった。
試合は8−0でドラゴンズの圧倒的勝利に終わった。
私はかねてから、わたしが行く時に負けたら許さん、ころすと
言っていたのだが、ドラゴンズが勝った。よしよし。
ミツルンは、ビールを3.5リットルも飲みでき上がりかかっている。
扇子で人の頬をつんつんするなど、乱行悪行の振る舞いの数々。
あとで、HPに書いてやるぞって脅してもなんのその。
しかし、球場の雰囲気は独特のものがある。
よく、考えてみたら・・・・。ちょっとヘビメタのコンサートに通じるものがある。
リズムが違うけれど、こぶしを振り上げる代わりにメガホンだものね。
クールな私が野球観戦なんて出来るかと危ぶんでいたけれど
これは私の認識が甘かったです。
私はドラゴンズ扇子まで買ってしまったよ。
そして、それを事もあろうにひらひらと打ち振りながら応援してしまったのである。
当初は内野スタンド三塁側の敵地の真っ只中で、こんなドラゴンズな格好を
していたら冷たい視線にさらされいぢめられるのではないか・・と
びくびくしていたのだが、それは杞憂と言うものであった。
広島ファンは、レフト側外野席に一握りならぬ一つまみのみ。ひっそりと
身を寄せ合うように固まっていただけであった。
しかも、広島のファンにとっては試合はおそまつではらわたが煮えたぎる
程の屈辱を味わったであろう。
私はそんな熱心な広島応援団の「民」が気の毒であった。
しかし、暴れ疲れました。
ミツルンは球場を出たら今日の勝利に酔ったのか、夜の街に
「燃えよドラゴンズ」を大声で歌い出す。
皆がこちらを振り向き、心なしか私らの周囲に人がいなくなったような・・。
こぶしをきかせ歌いながら、ミツルンは扇子で私をバシバシと叩き、
脇の下をうりうりする。
同じシャツを着ているのが恥ずかしい。この悪行、報告してやる。
それでもホテルまで送ってもらってフロントでキイをもらおうとすると
フロント係がクスっと笑う。
そんなに、このシャツと帽子と扇子が可笑しいかね?
ここは、名古屋だよ。
一体、何故、地元の民に笑われなければならないのだ?
もう駄目になってホテルに戻った途端延びてしまった。
私は本当はクリソ(※クリームソーダの事)が飲みたかったのだけれど。
しかし、翌日は京都である。久しぶりの京都なのだ。