☆彡我等秘仏御開帳他参拝同志夏之往還☆彡
《ゆうは熱心に西国を巡礼した!》PART II
平成森の仲間達やじきた道中事始め
昨夜は早く寝よう、寝なければ・・・を皆で呪文のように繰り返しつつも
結局も寝たのは12時前後であるが、正確な時間は今となっては定かではない。
夜半に一時的に雨が降って、「地獄耳のゆう」と呼ばれる私の耳元で悩ました。
激しく窓を打つ雨の音が、幾度か眠りの国の住人となりつつある私を呼び戻す。
うつらうつらとしているうちに寝たのか寝ないのかわからないうちに朝になってしまった。
出発は、早朝、5時。の予定を17分ほど遅れてトナカイさん運転の車は東京を
後にし、さくらさん、いの坊の待つ焼津に向かう。
天気予報では午後まで雨であったが、見事に晴れた。
清々しいほどの朝である。が、所々で道路工事をしていて早朝だというのに
渋滞になっているではないか。
眠いが、なかなか気持ちの良い朝である。おばきゅうは感動してそわそわ
しながら、車外をきょろきょろと見回し、大変嬉げにニコニコとしている。
よかったねえ、きゅうちゃん。というと、本当に感動しているのである。まだ、
東名にも乗っていないのであるが・・・。
車内では、お決まりにおばかな事で笑いながらも和やかである。
私は東名高速を走ったことがないので、免許証が失効していて本当に
よかった。(更新を一年間違えていた)でなければ、皆の命を預かる重圧感から
たちまち胃袋のひとつも破れていよう。。自分一人ならば何とでもなるのであるが。
私の夢は、助手席で呑気に車の外の景色に子供のような喜びの声を上げ、はしゃぐ
というものであったが、この年まで、それはなかなか叶わなかった。
外国に行った時ですら、内心ドキドキしながらハイウェイを突っ走ったものである。
決して運転が上手いというわけではないが、おそらく私は「運と気力と念力」で
今まで、無事でやってこられたのだと思う。
さて、早朝出発のため朝食をとらずに出た私達は・・。当初は、時間節約の為に
朝食召し上げ、休憩無しの予定だった。が、まず最初に運転者のトナカイさんが
くじけた。これは、一大事である!足柄のサービスエリアで休憩する事になった。
早朝なので、店もぼちぼち開けたところである。
私は「サザエの串焼き」の焼ける匂いに誘われて一串求め、頬張る。美味じゃ!
さらにサンドイッチでお腹を満たすと、サザエの串焼きを買ったことについて
文句を言っていたきゅうちゃんが、「磯辺餅」を買って食べている。磯辺餅を
少し取り上げ食べてみると、なるほど・・・なかなか焼き立ては美味しいねぇ。
などといいながら皆、それぞれ思い思いに満足し、再び出発する。
予定より大分遅れている。実はこの時、たこやきの焼けている様子にじっと見入って
いるトナカイさんの姿を私が遠くから微笑ましく見守っていた事を彼は知らない。
メロン畑を行く
予定では7時に焼津に到着し、さくらさん、いの坊を拾うはずであった。
予定より一時間以上遅れて、焼津のインターを降りたところで、打ち合わせ
通りの場所で手を振って立っていた。
慌ただしく車内で挨拶を交わし車は再び、高速に乗り、伊勢を目指す。
今回、実は伊勢神宮参りを初日にするというのが目的であったのだが
私は恥ずかしながら伊勢の位置を頭の中で描けなかった。
だから車が東名を浜松で降り、延々と渥美半島を伊良湖岬のカーフェリー
乗り場へ行くのにぐるうりと半島を走るのが大変面白かった。
特に、当地はメロンの産地であちこちに「メロンの直売」の手書きの看板が
掲げてある。それにしても、産地直売の看板というのは、何故、手書きなのだろう。
しかもああいったもので、唸るほど達筆の看板というものに出会った試しはない。
道の両側はメロン畑。メロンがごおろごろ・・・。
ああ、あの一つでも拾いたいものぢゃっ!どなたか、わたしにメロンをこうてくだされ。
と、言い続けるも、誰も耳を貸さない。
運転者のトナカイさんの真後ろに座っていたならば、耳元でメロンをこうてくだされ・・
と囁けるのであるが、いかんせん私は一番後ろの席である。
運転席まで私の囁きは届かないので、さくらさん、バンビさんに中継してもらって
メロンもメロンといい続けるのであるが、念力は届かなかった。かえすがえすも
残念であるというのはこの事である。メロンを買いたかったのだ、私は、心から。
カーフェリーに乗る
平成やじきた道中は現代にふさわしく、カーの付くフェリーに乗る。
私は突然港に着いたことに驚いたが、船に車ごと乗っかるというのにかなり
感動した。すごいな、これが海に浮かんで走るんだぞ。。。
船内は大変綺麗で、お土産まで売っている。しかし、この時までうっかり
していたのであるが、船の着く伊勢は、真珠の産地ではないか。忘れていた。
しかし、きゅうちゃんともめたのであるが、「今回、真珠は買わない」と、釘を
さされてしまった。別に欲しいわけではないけれど、みるだけならいいでしょう。
と言い合う。物欲禁止令が出てしまったが、みるというのは大事な事なのである。
しかし、時間的に真珠の館などはパスされてしまった。
真夏のような日差しの元、キラキラ光る海面に波しぶきを立てて船は行く。
これがまた、とても素晴らしい光景である。海がこんなにも美しいとは。
私は子供のようにはしゃいだ。もちろん、心の中でである。
私は「万一の事態」に備えて、船のトイレに備え付けてあった、汚物入れの青い
ビニール袋を一枚失敬してきた。もしも、の時のためである。
しかし、それを皆に発見されて騒がれてしまった。用意がいい、または用心深い
と評価をして欲しかったのであるが・・・。
でも、船の旅は快適で気分が悪くなるどころか、眠気も飛んでしまった。
トナカイさんは、運転の疲れで椅子に寝そべって可愛く寝ている。
それにしても、太陽が眩しい。
天気予報を見事に裏切って、快晴である。
皆の者、紫外線対策はいいか〜などと言い合いつつ、船は港に到着した。
目の前は、初めて降り立つ伊勢である。
続く。
part1 part3
Copyright(C), 1998-2009 Yuki.
禁・無断転載