WINTER〜ふゆ〜
No.2 さようならはいえない
もうすぎた事だけれど
心を焼き尽くすような鮮烈な言葉を
ただ一言残して
自分の居場所がここにはないなんて
しかも他人行儀な方法で
私に教えてくれたあなたは
それが一番堪えるということを
知っているのだろうか
あなたは。
ほんの小さな行き違いのはずだったのに
行ってしまった
多分、この広い世界には
今よりもふさわしい場所があると信じて
それは幻想かもしれないのに
離れて行くあなたを
誰にも止められなかった
この問題に誰かが涙を流すなんて
そんなばかげた事があってもいいのだろうか
私が誰かの前では泣く事が出来ないのを
知っていて
あなたは そうやって言葉を投げつけて
私の前から去っていった
待つのも
待たされるのも
待たせるのも
私にはそんな器用な事はできないのを
かけひきのループの端っこさえ
掴めないのを
誰よりも知っているはずの
あなたは
何十年にほんの一度
訪れる彗星のように
私を喜ばせ 哀しませ
つかの間の希望を与え
一瞬の失望を知らしめて
宇宙の果てへ
帰っていくが如く
いってしまった
もう 永遠に降り止まない
12月の雨は
この景色の中へくっきりと
痛みを刻んだ
あなたの言葉が
私をただひとり
涙の海にほうりこんだのを
気がつかない振りをして
行ってしまった
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Copyright(C), 1998,-2000
Yuki.
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