WINTER〜ふゆ〜
No.1 流星群
あなたと知り合って二年目の
息も凍るような深夜のデートは
今世紀最後の 流星群が見られるという
底冷えの厳しい日だった。
歯の根も合わないほどの寒さには
ありったけの毛布で身をくるんで並んだから
着膨れをしたお互いの姿が可笑しくて
ロマンスにはほど遠く。
やがて首が痛くなるほど空を見上げて
やっと見つけたオリオン座が
まるでプラネタリウムと同じだと笑う。
もう、何時間もそうしてじっと待っているのに
思慮深げな小さな瞬きが遠慮しながら
時おり闇夜を照らすだけの夜に
東京の空には見えないかもしれないね・・・
そうしてあきらめかけた時
私の頭上に輝いたのは。
このはるかな宇宙の旅の果てに
最後の命を燃やす
星たちの美しいなきがらの輝き。
そして、次の一瞬
優しい夜の 天使の群れが
空を見上げる私の元に舞いおりた。
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Copyright(C), 1998, 1999
Yuki.
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