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8月4日はConさんの命日です。
2011年にConさんが亡くなられてから、もう12年が経ちました。

なお、先日、Conさんの遺灰をごく少量分けていただいたので、東京湾の海に撒きました。Conさんは若い頃に船乗りだったことがあり、なおかつ、東京湾は葛飾北斎の名画『神奈川沖浪裏』の舞台とも言われている場所なので、きっとConさんに喜んでもらえるものと思います。



編集: Kunsthalle Düsseldorf, Gregor Jansen and Stiftung IMAI – Inter Media Art Institute, Linnea Semmerling; Stefan Schneider, Alicia Holthausen

主な購入先: アマゾン

2022/6/11~8/14にドイツ、デュッセルドルフのKUNSTHALLEにて開催されたイベント"Manchmal artet es in Musik aus" (Sometimes it gets out of hand and turns into music)では2年を掛けて準備が行われ、その一環として、Conさんの動画や一連のパフォーマンス活動等の記録が整理され、さらに、Conさんのご家族や関係者・知人等にヒアリングが行われました。その結果として得られた情報を英語でまとめたのが本書です。(末尾にドイツ語訳も記載されています。)イベント運営に携わった美術館スタッフの方の話では、「本書には、イベント準備の際に得られた情報を、誇りを持って注ぎ込んだ」とのことで、確かに、信頼性の高い情報が写真と共に書き記されています。また、エビデンスが弱い情報の場合は、「おそらく」とか「そのように考えている」など、明確な情報ではないことが明示的に記載されていて好感が持てます。過去に出版された他の書籍には偽情報を含むものが少なからずあるため、本書が輝いて見えます。

なお、イベント時と同様、私自身も全面的に協力されていただき、情報提供などをさせていただきました。(そのため、恥ずかしながら、本書には私の名前が何度か出てきます。)

想えば、Conさんの生前、あるとき、私はたまたまネット上でUlrike RosenbachさんとConさんがコラボしたビデオ作品を見つけ、そのことを、喜んでConさんに伝えました。すると、予想外に、Conさんが自身の動画を沢山送ってきてくれて、しかも、YouTubeにアップしていいとの許可まで出ました。そのため、時間があるときに少しずつ、数か月掛けて動画をアップしていったわけですが、それが10年+の時を経て、美術館スタッフの方々の目に留まり、イベント開催時に何本ものConさん動画を上映していただくこととなり、さらにそのつながりで、今回の書籍の出版にまで至ったというわけです。正に、感無量です、、、

なお、美術館スタッフの方は、以下のようにも語っています。
「アートシーンの、とりわけ若い人達は、本書から刺激を受け、CONへの新たな興味を掻き立てられることでしょう。」
Conさんのアーティストとしての存在はあまりにも大きく、若いアーティストにも多大な影響を与えているため、その生涯に渡る活動を、時代を超えて、さらに次の若い世代に語り継いでいくことは、私個人としても、大変意義のあることと考えています。


8月4日はConさんの命日です。
2011年にConさんが亡くなられてから、かれこれ、もう10年が経ちました。

Gen Ken Montgomeryさんは、10年目の記念にCon-MythologyのTシャツを30枚程度作る予定とのことです。
●オリジナル版『Broken Music: Artists' Recordworks』



リリース元: Berlin Berliner Knstlerprogramm des DAAD, Berlin Gelbe Musik (1989年)

『Broken Music: Artists' Recordworks』は、ドイツ語・英語のアート・レコードのカタログ本です。Conさんの作品も、カラー・シリーズなど、彼が携わった計13作品が掲載されています。本カタログに掲載されたレコードは、1986年にドイツで開催された展覧会の出展作品が元になっています。その展覧会のキュレートをした中心人物は、Edition Blockを運営するレネ・ブロックです。レネは、フルクサスの拠点の一つにもなっていたギャラリーBlockも60~70年代に運営していて、本カタログにも、多くのフルクサス・アーティストの名前を見つけることができます。なお、Conさんは、当時、フルクサス・アーティストの一人だったヨゼフ・ボイスからレネ・ブロックを紹介してもらいました。ボイスが才能を認めた生徒とのことで、温かく迎え入れてもらったそうです。その縁で、ConさんはギャラリーBlockでアートイベントを行ったり、また、1974年にはEdition Blockよりボックスセット 『Eruption』(通称Work in progress)をリリースすることになりました。

●復刻版『Broken Music: Artists' Recordworks』



リリース元: Primary Information (2018年10月)
リリース部数: 2000
主な購入先: アマゾン

入手困難のため高値で取引されていた本書の復刻版が、2018年10月に2000部限定でリリースされました。オリジナル版を忠実に再現していて、ソノシートも付いています。

(左: 英語版 、右: ドイツ語版)

リリース元: Eastgate Music & Arts (eastgate 001 book) (2017年9月29日)
主な購入先: East Gate Music Online Shop (ドイツ)

2017年に出版されたハードカバー本『TANGERINE DREAM - FORCE MAJEURE』は、2015年に惜しくも他界したタンジェリン・ドリームのエドガー・フローゼが、生前、約7年の歳月を掛けて執筆した自叙伝です。(同じタイトルのTDのLP/CDがありますが、こちらは書籍です。)約400ページの本著には"Electronic Meditation"の制作現場の様子も詳しく記載されており、1969年当時、Conさんがどのようにレコーディングに臨んだかを垣間見ることができます。また、当時のメンバー3名が写った貴重な写真も掲載されています。

なお、本書にはドイツ語版と英語版がありますが、出版元では、さらに他の言語に翻訳してもらえる出版社を探しています。興味がある方は、ぜひコンタクトしてみてください!
1989年に、日本の民放テレビ番組で、米国ニューヨークのGenerator Sound Art Galeryを紹介した際の貴重な映像が公開されています。ジェン・ケン・モンゴメリーが登場し、活動内容を手短に説明しています。(ただし字幕では、間違ってジョン・ケンと記載されています。)また、字幕には出てきませんが、世界中の人々とカセットをやり取りしながらコラボして、音楽を制作していることについても触れていました。

なお、同じ年にリリースされたConさんのCD『CONSTELLATIONS』の(火星の人面岩の)ジャケットも写っています。


動画はこちらから: https://archive.org/details/XFR_2013-08-09_1A_01
日本語意訳: Jin

当時私は、シーケンサーを用いて、ごく普通の12音音階の音符を打ち込む作業を行なうことにした。
それゆえ、調を意識しながら、まずは音符を紙に書く必要があった。
あれ以来、そういうことをやろうと思ったことはない。

五線譜に譜面を書く際、最初のうちは調を気にせず、音符の長さだけに気を配った。
音符はすべて4/4拍子で書いた。
そして、譜面に合わせて一つずつ順番にシーケンサーに入力していったが、和音はまったく考慮せず、入力後に音符の長さだけ調整した。
それらの音符をシンセサイザーに自動演奏させ、サウンドを8トラックの機材に録音し、トラックを作っていった。

また、音符の長さを変えたり、いわゆるパターンと呼ばれる一かたまりの音符を編集することで、様々なバリエーションを作った。
シーケンサーは、MS10、MS20やPro Oneにつないだ。

※続きは、後日掲載します。

過去の掲載分はこちら

原文(英語): The works 1984 (Conrad Schnitzler's perfect private list より抜粋)
アップデート情報

◆2016/9/12 サンフランシスコ湾のオイスター・ポイント・マリーナ
『CON-MYTHOLOGY 2016』のイベントでサンフランシスコを訪れていたジェン・ケン・モンゴメリーは、友人にいい場所を教えてもらいました。

◆2014/3/30 ベルゲンのフロイエン山
ノルウエイ、ベルゲンのフロイエン山への4度目の訪問を追加。Big Robot等のメンバー、オリス・クリスチャンセン一行は、毎年恒例のConさんの墓参りを今年も行いました。

◆2013/3/16 モロッコの要塞跡

北アフリカに位置するモロッコ南部のSouss-Massa-DraaのMirleft村にある、今は廃墟となった要塞跡にKristian一行が訪れ、その麓にある岩付近にConさんのDNAを埋めました。

◆2013/2/23 カナリヤ諸島のテイデ山

スペイン領カナリヤ諸島テネリフェ島のテイデ山にBig Robot等のメンバー、オリス・クリスチャンセン一行が訪れ、ロープウェーの終着地点にある岩付近にConさんのDNAを埋めました。標高3,718 mのテイデ山はスペイン領内で最高峰の山であると共に、世界有数の規模を誇る火山島のシンボルです。Conさんの70年代初期のプロジェクト"Eruption"(噴火)にちなみ、この地を選んだそうです。

◆2013/1/3 ベルゲンのフロイエン山
ノルウエイ、ベルゲンのフロイエン山への3度目の訪問を追加。Big Robot等のメンバー、オリス・クリスチャンセン一行は、毎年、クリスマスの翌日にConさんの墓参りを行うのを恒例行事にしたいと考えているそうですが、今回はあいにくの荒天だったため、日程をずらして12月30日に訪れたとのことです。

◆2012/11/23 オレゴン州Cove
Conさんとのカセット作品『Concho』を1988年にリリースしたことがあるMichael Chocholakは、米国オレゴン州Coveにある自分の農場に生えている桜の木の根元にConさんのDNAを埋めました。この母樹は、古くて雨風にさらされていますが、趣のある形をしているそうです。また、いろいろなものをぶら下げていて、例えば、カランカラン鳴り響く金物や赤いリボン、太陽ランタン、青いロープといった具合です。しかもフクロウのねぐらになっているため羽がたくさん付いているそうです。

◆2012/3/16 ニューヨーク港
ジェン・ケンは、WFMUの特別番組"Conrad Schnitzler tribute"に出演する際、再度この場所を訪れました。彼は、WFMUがリスナーの寄付のみで運営されているラジオ局で、DJもボランティアで放送を流していることに触れると共に、WFMUへの寄付を呼び掛けています。

◆2012/1/13 ベルゲンのフロイエン山
ノルウエイ、ベルゲンのフロイエン山への2度目の訪問を追加。2年前の12月26日、この場所にConさんのDNAを埋めに行ったBig Robot等のメンバー、オリス・クリスチャンセン等が、昨年の同じ日に再訪問しました。この日はクリスマスの翌日ですが、北欧ではクリスマスに先祖の墓参りを行う習慣があり、彼等は気温マイナス2度の中、ポータブル・スピーカーで『Gelb』を流しながら、Conさんの墓参りに訪れたというわけです。今後、毎年12月26日にConさんの墓参りに行くことを習慣にしたいとのことです。

◆2011/9 ヴェニクヘースバッハ
ドイツ、フランクフルト近郊のアシャッフェンブルクにあるヴェニクヘースバッハを追加。ConさんのDNAを埋めた場所を表す4枚の地図が添えられています。

◆2011/8/11 ニューヨーク港
米国ニューヨーク・シティーのニューヨーク港を新たな場所として追加しました。Conさんは、まだ船乗りだったときの1回を含め、合計3回ニューヨークを訪れたことがあります。ニューヨーク港に注ぎ込むハドソン川の河口を望むワールド・フィナンシャル・センターには、ウインター・ガーデンというガラス張りのドーム型の建物があります。Conさんはウインター・ガーデンの段々になった場所に座りながら、いつかこの場所でコン・サートを行いたいとジェン・ケン・モンゴメリー(*注)~Gen Ken Montgomeryに語っていたそうです。Gen Kenは、Conさんが亡くなられる約1年前にConさんからDNA(髪の毛)を受け取っていましたが、WFMUの追悼ラジオ番組に出演する当日、放送前にこの場所に立ち寄り、ハドソン川にDNAを撒いたとのことです。

* Gen Kenの表記はジェン・ケンに改めました。(Conさんはドイツ語風にゲン・ケンと発音していました。)



グローバル・リビングのページでは、コンセプトの英語原文の他、プロジェクトの主旨に賛同した人達による世界各地のレポートを閲覧することができます。日本では、CONさん本人のご希望にお応えして、富士山(五合目)にCONさんのDNAを埋めています!

グローバル・リビングのトップページはこちらです。(地球をクリックして入ってください。)

●グローバル・リビング・プロジェクトのコンセプト

(日本語意訳:Jin)

グローバル・リビングを簡単に説明すると....
あるときから、私は自分をグローバル化させた。
なぜ、一つの国だけで生活しなければならないのか、
なぜ、一つの国だけで眠らなければならないのか、
なぜ、一つの国だけに埋められなければならないのか、
今、そうした考えの元に、グローバルに生きようと思う。
私は、世界の美しい場所にいたいと思っている。
しかも、今自分がいるこの場所から離れずに。
私は、自分のDNA(髪の毛)を世界のいろいろな場所に送っている。
これは、私が世界中にいるということだ。
私はあらゆる場所にいる。たとえ死んだとしてもだ。
誰も、私のベルリンの墓に来てはならない。
私の友人は、今や世界中に私を訪ねに来ることができる。
だから、もし友人が私に新たな場所を与えてくれるなら歓迎だ。
私は、自分を埋めてもらえるように、DNAのサンプルを送ろう。
私は、家にいながらにして全世界にいるというわけだ。
私はこの感覚をとても気に入っている。

コンラッド・シュニッツラー

関連情報: あれから一週間が経ちました
●英語オリジナル版『Future Days: Krautrock and the Building of Modern Germany』



リリース元: Faber & Faber Rock Music (2014年8月7日)
著者: David Stubbs

8月7日、英国の音楽出版社より、クラウトロックについての英語のペーパーバック本『Future Days: Krautrock and the Building of Modern Germany』が発売されました。内容は、クラウトロックの主だったグループやアーティストについての紹介がメインで、各グループごとに10章に分かれています。またその後に、NDWについての章と、"デヴィッド・ボウイ以降、ポスト・パンク、現在とこの先"の章があり、計12章で構成されています。総ページ数は512ページ(本の厚さ約3.5ミリ)で、そのほぼすべてがテキストのため、かなりボリューム感があります。なお、本書には個々のLP/CD/カセットの作品レビューは含まれず、各グループについての紹介・説明の過程でいくつかの作品について触れる程度です。写真は、各章の頭に白黒写真が1枚ずつ掲載されています。著者はロンドン在住の作家・音楽ジャーナリストです。

さて、Conさんについては、本書では主に"Berlin School"の章で触れています。とはいえ、筆者はConさんとは特に交流はなく、既存のインタビューや記事、他のアーティストの証言をまとめた形になっています。また、インターネットで相当ググって情報を拾い集めた形跡があります。概ね、記事としてよくまとめられていて、Conさんという人を大まかに知るにはいい資料だと思いますが、筆者はConさんを直接知っているわけではないので、「また聞き」による勘違いも若干含まれています。例えば、「Conさんは好きなアーティストとしてホークウインドを挙げている。もしかしたら、ホークウインドのフロントマンになっていたかもしれない、とConさんは語った。」といった記載がありますが、これは明らかに勘違いで、実際、私がConさんから生前直接聞いた話では、「ホークウインドは同じEMSのシンセを持っていた関係で親しくなったけど、彼らの音楽は大嫌いなので、グループへの参加を持ち掛けられたらどうやって断ろうか考えていた。」とのことです。

この手のConさんについての聞き違い・勘違いは、本書に限らず他の著作にもしばしば見られることです。Conさんは、物事に対して、独自のユニークでクリエイティブな視点で考えを述べたりアイデアを出したりする人で、しかも、特に、(彼にとっては外国語である)英語でやり取りする場合は、限られた英単語を用いて、ときにはその単語本来の意味を超えたメッセージを伝えようとします。そのため、Conさんと付き合いを重ね、Conさんという人をよく知っていないと、彼が本当に言いたいことを理解するのはなかなか難しいと思います。

なお、Conさん関係者の間では、本書の記載内容は全般的にクラウトロックの表面的な部分に留まり、あまり深層には触れていないようだが、Conさんについての記載は概ねOKという見解です。クラウトロックについての本は、一般的には、やはり、当のドイツ人が執筆したものが深いところまで触れているのでお勧め、とのことです。

●日本語版『フューチャー・デイズ - クラウトロックとモダン・ドイツの構築』



リリース元: Pヴァイン(2016年6月22日)

Conさんについての記載内容を改めて日本語版で読み返してみると、英語版と同様、多くの適切な記述に混じって、ところどころ、「また聞き」による勘違いに起因する誤った内容が含まれていることが気になります。
最も変なのは、やはり、ホークウインドについての一節です。勘違いの末、「Conさんは、実は有名になりたかったようだ。」などど的外れな思い込みに至っています。鵜呑みにしないようお願いします。



リリース元: Ventil Verlag (2016年5月)
主な購入先: アマゾン
なか見!: Ventil Verlag (ドイツ語)
インタビュー: WDR (ドイツ語)

以前、英国で『Future Days: Krautrock and the Building of Modern Germany』が出版された際、「クラウトロックの本は、やはり、当のドイツ人が執筆したものがお勧め」というConさん関係者の話を記載しましたが、実はこれはヴォルフガング・ザイデルさんのコメントです。2016年5月、そのヴォルフガング・ザイデルさん自身がクラウトロックの本を出版しました。本書はドイツ語のため、内容の読解は容易ではありませんが、出版元より公開されているなか見!によると、目次には「シュトックハウゼン」、「コズミック・ミュージック」、「アバンギャルドとエレクトロニクス」、「西ベルリン」、「フランクフルト」、「ミュンヘン」、「ハンブルク」、「ビートクラブ」といった気になるキーワードが並んでいます。タイトルの『Wir müssen hier raus!』は「我々はここから外に出ていかなければならない!」といった意味だと思いますが、ヴォルフガングさんが1970年台初頭にドラマーとして在籍したバンドTon Steine Scherbenの2枚目の2枚組アルバム"Keine Macht Für Niemand"のA面1曲目に、同じタイトルの曲が収録されているのは興味深いです。

なお、2016年5月25日、ベルリンの書店にて、ヴォルフガング・ザイデルさんによる出版記念イベントが開催されました。

ぜひ、本書の日本語版を出版していただきたいです!


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