更新日: 2021年04月17日 (Saturday)

"Tausender Programm"(1000本プログラム)は、合計1000本のカセットを用いた大規模なコン・サート・イベントのプロジェクトです。
1986年、Conさんは、4本一組のカセット・コン・サートを250の異なる空間で同時に行い、聴衆は、それらの空間を自由に行き来して楽しむことができるようなイベントのプロジェクトを思い立ちました。このプロジェクトに必要なカセットの数は1,000本(250部屋 x 4本)となるため、Conさんは"Tausender Programm"(1000本プログラム)と名付けました。このイベントを行うためには、例えば大きな城のような、部屋がたくさんある場所を探す必要があるだろうと、Conさんは考えていました。
さて、このプロジェクトのために、Conさんは4年間掛けて、実質、600本の黒いカセットを各1部ずつ制作しました。そのため、イベントの実施には150もの空間(部屋)がある場所が必要、ということになります。
なお、他の作品とは異なり、販売目的で制作されたものではありません。(生前Conさんは、購入希望の熱心な海外のファンの方にも販売をお断りしていました。)
ところで、このプロジェクトには別のアイデアもあり、それは、聖堂やスタジアムのような広い場所に1000人が集まり、1000本のカセットを同時に鳴らすイベントを開催することです。Matt Howarthはそのイメージを題材に漫画を書いていて、そこでは、1000人が1000台のラジカセを手にして、1000本のカセットを同時に鳴らす様が描かれています。

Cassetten für alle (すべての人にカセットを)
(画像はConさんご提供。)
2014年9月10~28日、ノルウエーのオスロで開催された「オーディオビジュアル インスタレーション by コンラッド・シュニッツラー」では、このプロジェクトの最初の48本のカセットを素材としてミックスした、計6つのコン・サート作品が流されました。1000本プログラムの音源が一般公開される貴重な機会となりました。
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| Conrad Schnitzler::音楽作品解説 | 02:51 PM | comments (0) | trackback (0) |
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