「十善戒」について
弘法大師が残した「諸戒は十善を本とする」という教え。
仏教の教えで、人がしてはいけないこと、お遍路が守らな
くてはならない戒律です。
巡礼の前に心得を受けます。
一、 |
不殺生 |
生き物を殺さない |
二、 |
不愉盗 |
盗みをしない |
三、 |
不邪淫 |
ふしだらなことをしない |
四、 |
不妄語 |
嘘をつかない |
五、 |
不奇語 |
お世辞を言わない |
六、 |
不悪口 |
悪口を言わない |
七、 |
不両舌 |
二枚舌を使わない |
八、 |
不堅貧 |
欲張らない |
九、 |
不嫉爾 |
ねたまない |
十 |
不邪見 |
不正な考えを起こさない |
◆お参りの仕方、作法について◆
1 札所に到着したら山門や仁王門に一礼して境内に入る
この時私たちは菅笠をとって入りましたが、そのままのいでたちで
中に入る年輩の人も多いので、その辺の決まりについてまだよく
わかっていません。いずれにしろ、かぶり物は脱いでおけば失礼には
ならないだろうと言う判断をしました。
2 手水鉢で、手と口を濯ぐ。
作法がわからないのでこれは神社参拝の時にしているようにしました。
柄杓が用意してあれば、右手に柄杓を持ち先ず、左手を濯ぐ。次ぎに
柄杓を持ち替えて右手を濯ぎ、左手に水を注いで手から水を口に含み濯ぐ。
柄杓を縦にして残った水で柄杓の柄を清めてから、元の所に返す。
柄杓から直に水を飲んではいけないのは参拝の常識だろうと思います。
ガラガラと大きな音を立てながらうがいをしている人もいましたが・・
「常識の範囲」があると思いました。
3 鐘楼で鐘を鳴らす
鐘は自由に鳴らせる所のみ鳴らす。
また、参拝後に鐘を鳴らすのは、「出鐘」といって、参拝した
功徳が無くなるというらしいのでしてはいけない。
以前比叡山で無闇に撞いている年輩のグループがいましたが
大変見苦しいと感じました。
中には鐘突でストレス解消をしているのではないかと思える人もいて
仏様へのご挨拶としてはどうかなというのもあります。
お寺はレジャーランドやアミューズメント・パークではないので
注意書きなどがあればそれに従います。
私は一度だけで充分だと思います。
4 本堂の納札箱に収め札、写経を納める。
収め札には名前、住所、年齢、月日、願い事を記入する。
ネットの情報で納め札に住所を書いたらダイレクトメールが来たという事が
あったという記事を読んだので、私は住所は市町村までに留めました。
写経を納める所と納札の場所が別々になっていたり、同じ箱に入れるように
なっていたりとお寺によってまちまちですので確認したほうがいいです。
5 お灯明、線香、賽銭をあげる。
線香は中心から、ローソクは奥から立てる。
ロウソクの火を他のロウソクから移すのは他人の因縁をもらうことになるので
避けた方がよいという事もあるそうです。
ロウソクは持参して自分でつけたほうがいいでしょう。
お線香を焚いたら火を消すこともマナーのようになっていました。
場所によってはそのまま灯してあるのも見かけましたが、火事など万が一の事を
考えて私は手で仰いで消しました。
これが正しい作法なのかどうかはわかりません。
6 合掌し、心静かに読経する。
観音経の経本は持っていますが、あまり声を出して読んだことがないため
お寺の和尚さんに伺ったところも般若心経でも大丈夫と励まされました。
他の巡礼の方もほぼ全員が般若心経をあげていらっしゃいました。
私は一番の札所の売店で今回の巡礼用のものを買いました。
経本は結構かさばって重いので、これが大変薄くて重宝しています。
他人の邪魔にならないように人が大勢参拝しているときは
声を張り上げたりしませんでした。
他にお経をあげる人がいない場合は声を出しましたが
私のつたないお経にてを合わせてくださる人もいました。
開経渇(かいぎょうげ)
般若心経(はんにゃしんぎょう)
御本尊の真言(ごほんぞんのしんごん)三返
回向文(えこうもん)
7 札所本尊だけではなくお寺の本尊やほかの仏様も参拝する。
時間はかかりますが、他の仏様へもお経をあげさせて戴きました。
8 納経所で納経帳に朱印をもらう。
お寺に到着するやいなや、朱印所に直行して御朱印をもらい、その後で
合掌して次ぎに向かう人もいました。
ただ、巡礼としては御朱印の数を競うスタンプラリーではないので
これは問題外だと思います。
但し、団体の人は先に御朱印帳をまとめて事務所に預けておくと
いうやり方みたいでした