昨 日 見 た 夢 は な ん だ ろ う?
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これは私の妹の話である。但し、本人にはその記憶がないらしい。
覚えがまったくないという。
私たちの母が2度目の入院をしていた時のある真夜中の出来事・・・・。
その頃、私と妹は不測の事態に備えて、枕を並べて寝ていた。
夜もだいぶ更けた頃、私は妹の寝言で目が覚めた。
見ると妹は寝汗をかいてうなされている。
「ゆみちゃん、どうしたの?怖い夢を見たの?」
私は、妹の身体を揺すって眠りから覚まそうとした。すると目を薄く開けた妹が言った、。
「今、病院まで走って行ってきたの。あぁ、疲れた、、、。」
言うなり妹はまた眠ってしまった。
仕方なく私もまた、眠ろうと目をつぶったが、母が心配でなかなか眠りにつけなかった。
翌朝、私は母の入院している病院へ飛んでいった。まさに、飛んで行ったのだ。
朝が早かったので、回診もまだのようだったが、母は既に目覚めていた。
「お母さん、昨日ね、、」
私が昨日の妹の話しをしようとしたら、母が私の話を引き取るように言うではないか・・・。
「なんか、夜中に誰かが来たと思ったらゆみちゃんが立っていて、
何にも言わないですぐに帰っちゃってね、」
「まったく、あの子は・・・」
「ふうん、、そう。」
不思議な夢の符号に、私はそのとき、母には何も話さずに家に戻ってきた。
午後から再び妹と母のお見舞いに行った時、その夢の話をしたのだが、
母は絶対に起きていたと言い張るのだ。
私は夢の中でも母に会いに行った妹がたまらなく愛しい。
何故なら、その後二十代で母親を亡くすという、悲しい出来事が待っているからである。
それではまた、夢の中でお会いしましょう・・・・。
おやつの夢ばかり見てた昨夜・・・・・。やはり、バナナが大好きみたい。
<第四夜〜再会〜>
昨夜見た夢は、なんとも情けない夢だった。。
あまりにも情けなさ過ぎて、人様に聞かせることができないので今日のところは割愛、、。
その代わり、と言っては何だけど、数年前に従姉から聞いた夢の話などを、・・・・。
従姉は結婚してすぐできた長男を原因不明の病気で、生後半年あまりで亡くしている。
幸いにも、その後、二人の子供に恵まれ、子供たちはすくすくと元気に育っていた。
それでも、亡くした子供の面影は、心の底で癒されることのない
深い傷となって彼女自身を縛り付けていた。少なくとも、私にはそう感じられた。。
ある晩、従姉が子供たちを寝かしつけながらうとうとしていると、
突然身体が金縛りに遭ったように動かなくなった。足元を見ると、ぼうっと光っている。。
なんとも言えない、優しい色の光だったそうだ。よく見ると、その光の中に、
幼児を抱いた女性が立っている。白い着物を着て、長い髪。優しい眼差し、、。
思わず、誰?ときこうとすると、それに応えるかのようにその女性は言った。
「ほら、あなたの子供ですよ。こんなに大きくなったから、安心しなさい、、、。
この子はこちらで幸せに暮らしています。ちゃんと預かっていますからね。」
従姉は、思わず泣き出して、亡くなった子供の名前を呼びながら、
子供を抱かせて下さい、とその女性に懇願した。。。
・・・・・子供の名前を呼ぶ自分の声で、従姉は目が覚めた。
胸は、張り裂けそうになっていたけれど、
同時にえもいわれぬ安らぎに満ちていたそうだ。
それ以来、従姉は亡くした子供への想いにとらわれることがなくなったそうである。
私にこの話をしてくれた時も、幸せそうな、穏やかな口調だった。
それは、かつてなかったことである。
ではまた、夢の中でお会いしましょう。
<第三夜〜仕事〜>
気が付くと、私は急ぎの仕事でパニックになっていた。
どおしても、その日のうちに仕上げなければならない原稿が目の前にあるというのに、。
スケールは狂っていて、0.1mmの線がうまく引けないのだ。
隣では、知らない子供が、
いとも簡単に私が今しようとしている作業を楽々とこなしているではないか!
しかも、どこからか楽しそうな音楽が聞こえてくる。私は、少しあせっている。。
私は、いつのまにか、その会場にいた。
異様な格好をした女性4人が、
沖縄の民謡をベースにした懐かしい感じがする曲を歌い、踊っていた。
そのグループをプロデュースしているのは、なんと、キューピー人間だ!
つるつるの頭にわずかな毛が生えていて、その髪の色はピンクと金色に染まっている。
着ているものといえば、ショッキングピンクと蛍光グリーンのピエロのような服。。
「あっ、あれは、亜土くんだ・・・!」
私は、この人物をどうやら、このwwwのサーバーの管理者ではないかと疑い始めた、。
と、またまた、仕事をしている場面にほうりこまれている。
スケールは、さっきのものより更に条件が悪くなっていた。
苦心しながらペンを使っているうちに 、私は気が付いた。「あっ、そうか!」
私は、デザイナーじゃなかった。こんなこと、しなくてよかったんだ。。
でも、今私がこれをやめれば、これは、完全に落ちる。
入稿しないと、まずいんだろうなぁ。
そんなことを考えながら、私は仕方なく作業を続けた。
そのうちに、仕事部屋はおやつの山になった。
ではまたの機会に、おあいしましょう・・・。
<第二夜 〜時計〜>
昨日の朝、その性能がだいぶ怪しくなっていた目覚まし時計が壊れたらしく、
危うく寝坊するところだった。その日、さっそく新しい時計を買ってきたのだが、、、。
人の気配で目を覚ますと、なんと寝室に6人の侍がいて、
しかも、、ベッドの中の私を見つめているではないか。。
驚いている私に向かって、中の一人が私のご先祖のことを尋ねてきた。
何やら、緊迫した空気が部屋の中に満ちている。
そこで仕方なく、私は生家のご先祖のことを順を追って告白することになった。
すると、侍たちは、がっかりしたように首を振ったり、
うなずいたりしてなにやら相談を始めた。
どうやら、私は彼らの目的の人物ではないようだ。
私は少々腹が立って、他人の家の寝室に勝手に侵入した非礼をなじった。
相手は、帯刀しているので、それでも丁寧に尋ねたつもりだけれど・・・。その瞬間・・・。
私は、夢の中で夢を見た。
彼らは今の青森県あたりの地方の武士であること。詳しい出自、身分は、わからない。
殿様に献上する為の舶来のからくり時計を策略によって奪われてしまい、
その責めを負って全員、詰め腹を切らされたこと。
その報復の為に、こうして今でもその主を探して
その子孫でも見つけたら恨みを晴らそうと迷っていることなど・・・。
夢の中で夢から覚めた私は、彼らに向かって、
再び私はその相手でも子孫でもないことを諭した。
第一、江戸時代の話しなら、ご先祖はお奉行様だ。
そんな、無茶な命令は下すことはない、、、はずだ。ともかく、現代人の私は刀を
持っていないし、寝室が血だらけになるのは嫌だったので退散することにした。
せっかく寝てたのに、、、。まあ、なんて災難だろうと文句を言いながら。。
それでも、彼らのご機嫌を損なわないようにそっと、寝室から出てきた。
扉から覗いていみると、彼らはまだ相談している。。
と、いうところで、本当にやっと、目が覚めた。
この時計は、渋谷のビックカメラで買ってきた、なんの変哲もないものだけれど。
さっきの夢の侍6人は、今でも積年の恨みを晴らすべく、時計屋から出てきた客の後を
つけているんだろうか?それにしても、疲れた夢を見てしまったなぁ。。
今度、法事の時にでも、伯父に聞いてみよう。。
もちろん、そんなことはありえるはずもないけれど。。
ともかく、切られないで良かった。
それではまた、夢の中でお会いしましょう。。
全くのところ、羊を千匹数えたとしても寝付けないのが常だというのに。
その日に限って、目を閉じた瞬間、現実が反転したように闇の世界に落ちていた。
すると、私の目の前に、灰色のマントを頭からかぶった老人が、
私に向かって腕を広げていた。
なぜ、老人とわかったのかは、わからない。
その老人は私の方に歩いてくると、私に自分の持ち物を受け取るよう、私に促した。
わたしがためらっていると、老人は私の首になにやらかけようとした。
それは、輝くばかりの赤と白の宝石があしらわれたネックレスだった。
「・・・・なれるよ、、。」
何だろうと思うまもなく、私の首にそれはかけられていた。
「・・・幸せになれるのよ」
どこか遠くで、女性の声がしてきた。その声を聞きながら、私ははっと、目が覚めた。
どうやら、それは、ほんの一瞬に見た夢だったらしい。
このすてきな夢がいつ現実になるのか、今から私はわくわくしているが、
願わくば、老人ではなくハンサムなダンディだったら嬉しいと思っている。
では、また。夢の世界でお会いしましょう。
Copyright(C), 1998-2009 Yuki.
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