◆AUTUMN〜あき〜◆
No.1 11th September〜結婚記念日
ふたりが いま
ありふれた日常に たたずむ家具のように
眺め飽きた風景の一部になっていたとしても
17年という歳月は
時には激しく、
あるときには悠然と二人を流れていた。
この暮らしの中で
情熱に満ちた言葉の数かずは
いつしか
生活という名のふるいにかけられ
そのきらめきは失ってしまったけれど
代わりにいたわりに満ちた優しさが残された
その光はダイヤモンドのそれではなく
ひえびえとした真冬の部屋をも
隅々まで柔らかく灯す
静かに燃える一本のろうそくに似て
無口ではあるけれど
あなたの熱い体温が
あの日 私を支えてくれた腕から
今でも感じられるから 共に歩いてこられたのだ
これまでも これからも・・・。
間もなく 彼はドアのチャイムを鳴らすだろう
昔のままの 恋人時代のままの表情で
「ただいま」の代わりに
はにかんだ笑顔と一緒に
大きな花束を抱えて。
そして私はいうのだ。 あの頃と同じように
お帰りなさい・・・!を。
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No.2ある朝、突然の
近日中に・・・。
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Copyright(C), 1998, 1999
Yuki.
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