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Conさんは、クラウトロックが嫌いだと明言していました。

元々、ロックは反体制派のための音楽で、しかし、Conさん自身は反体制派ではない、という考え方が根底にあります。また同様に、彼はヒッピーの音楽・文化も嫌いで、その流れを汲むクラウトロックも嫌い、といった感じです。ヒッピーの音楽は「退屈」とコメントしています。

ヒッピーの音楽以外の文化についても、よく知られているように、Conさんは頭の髪を剃っていて、ヒッピーが長髪なのと相反しているのが一目でわかります。また、Conさんはマリファナなどドラッグをやるのも嫌っていました。(ただし、他人がドラッグをやることについてはその人の自由、という意見を持っていました。)Conさんの最初の奥さんのクリスタ・ルンゲさんは、当時、KlusterやEruptionで一緒に音楽活動をしていたものの、その後、ヒッピーのコミューンであるAmon Düülに入ってしまったそうで、Conさんとは別れてしまいました、、

また、その他のエピソードとして、Conさんが1967年にイルミン(アーミン)・シュミットと会ったときのことが挙げられます。イルミン・シュミットは、Conさんが大好きなシュトックハウゼンに学んだ経歴の持ち主で、ウィーン交響楽団などで指揮者として活動し、指揮の受賞歴もある人ですが、Conさんはそのアドバイスの言葉に大変励まされたそうです。ところが、イルミン・シュミットは翌年の1968年に結成されたCanでクラウトロックを始めたので、Conさんは大変失望したそうです。(なお、余談ですが、Canは日本では「カン」と表記されますが、本当の発音は「キャン」だそうです。)

このように、Conさんは、ヒッピーやクラウトロックとは一線を画したところにいたのですが、皮肉にも、現在、Conさん自身の音楽自体も、世間一般では広く「クラウトロック」に分類され、人々から、当たり前のようにそう呼ばれているわけです。(以前は「ジャーマン・プログレッシブ」という言い方もありましたが、今はあまり使われていないように思います。)

しかも『Rot』には、ずばり"Krautrock"という曲まで収録されているため、ますます勘違いの元となっています。実は、Conさんの"Krautrock"という曲のタイトルは、Conさん自身が付けたものではありません。生前Conさんに確認したところ、『Rot』、『Blau』、『Grün』の収録曲のタイトルは、他人が付けたとのことでした。当時、LPを出すにあたり、諸事情により、そのようなタイトルになってしまったようです。

この文章により、少しでも彼に対する誤解が解けてくれれば幸いです。

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